東京から新幹線で向かう私たちスタッフは、大雪の中、なんとか無事氷見にたどり着きました。(第二回も大嵐だったことから、恐らくメンバーの誰かに嵐女もしくは嵐男がいる可能性が…もしや私?)
雪に埋もれた氷見のまちは、夏とはまた違った雰囲気で、とっても寒いけれどうっとりしてしまうような綺麗さでした。
さて、最終回会場は氷見市役所。当日の午前中は別室で事前相談会が行われ、直前まで発表者の方々は案を練りに練っていました。
午後1時。観光・マーケティング・おもてなしブランド課の東海課長より開会挨拶をいただき、スタートです。
「マーケティング人材の育成と氷見ブランドの構築です。7月3日に第一回を開催してから、本日の第五回、最終回を開催することができ、嬉しく思います。皆さんリラックスされて、自然体でよろしくお願いいたします。」
これまで全四回通して、氷見のブランドについて考えてきましたが、クリエイティビティに富んだ突飛なアイデアから、実利につながりそうなアイデアまで、たくさん登場しました。発表に移る前に、ブランド5つの定義を、もう一度確認しました。
これまでの全四回で皆さんから出てきた意見を、整理・集約し、言葉・色・風景・人にイメージを落とし込んだ氷見ブランドのコンセプト案を、本川市長から発表していただきました。
「外の人たちとの融合が、今回の地域みらい大学で進んできたんじゃないかと思います。『我々が、魚食文化をリードするんだ』という気概を持っていきましょう。今日はいよいよ、“大学“の卒業式ですから、皆さんしっかりと卒業制作を発表してくださいね。」
一人ずつ発表!
前半の講義を終え、いよいよ満を持して、発表会開始です。以下は1番から順に、皆さんのアイデアを紹介します。
1.今日はココで晩餐会
何を:地元を巻き込みながら地域特有の料理や伝統芸能をセットで提供
誰が:地域住民
誰に:観光客
どこで:季節に応じた会場で(棚田、船上、丘、公民館、民家、自宅など)
ポイント:目指すは日常の晩餐会。氷見はどこもが「魚食を楽しめるとっておきの会場」。
i+dコメント:
「魚食文化をリードする」というコンセプトに対して、自分の言葉で再定義をし、かつそれをアイデアに落とし込んでいるところが評価できる。現在ある観光資源を活かしたアプローチはもとより、究極的には「我が家」も晩餐会の場所になりうるという座組みは、外部の方を受け入れんとする氷見市民の温かさを想起させた。ダ・ヴィンチの最後の晩餐の絵にうなぎが描かれたいたことから着想したアイデアも評価したい。
2.SHIMADAI
何を:シマダイが人間を襲う地域映画をつくる
誰が:氷見のみなさん
誰に:氷見や氷見の魚文化を知らない人
ポイント:クラウドファウンディングで制作費を募る。ホラー映画だけでなく、地域のことを知れるストーリーにする(漁村が舞台など)。
i+dコメント:
可愛らしくて美味しいシマダイを、真逆のホラーテイストにすることで存在感を引き立たせた点がユニークだった。氷見の人にはなじみのある魚であるが、氷見以外の方々には氷見の産物とは知られていない点を深堀りし、ブリとの対比などをするとより良い示唆を得られると感じた。別の視点でいえば、地域の色々な場所を登場させる演出など、物語の内容さておき要所を押さえてPRした点を評価したい。また、今回の発表の中で唯一の動画作品だったことは、未来に大きな可能性の示唆を得たように思う。
3.魚人間コンテスト
何を:魚を愛し、氷見を愛し、氷見の魚を愛する人を魚人間と定義して認定する
どこで:ととざ辺り
ポイント:氷見ブランドを共に支える主体をつくる。メインイベントは魚のクイズ、目利き、さばきかたコンテスト、魚仮装コンテスト。
i+dコメント:
「魚食文化をリードする」を自分ごと化し、「氷見のために知識やスキルを兼ね備えた人を評したい」という視点と、仮装などを盛り込むことによって「ユニークさや遊び心」の大事さを説いた点を評価したい。また
、生物多様性といったアカデミックなものをブレンドすることで「氷見が求める魚人間は、こういう人」という内容が強く反映され、ユニークさに振れ過ぎない芯の強さのようなものを感じ取ることが出来た。プレゼンテーション技術でいえば、冒頭で聴衆の興味関心を引くユニークな一枚から入るあたり、ご経験の豊かさを感じた。
4.満月レストラン
何を:月に一度の満月の夜、月明かりのその下で、その日に美味しい氷見の魚を食べるツアー
誰に:ロマンチックな人(家族でも、恋人でも)
いつ:月に一回、満月の夜
どこで:天空平や浜辺など季節に合わせた場所
ポイント:食・自然・人と交流することができる
満月の日は平日•休日どちらもあるので、様々な人が参加、交流できる
i+dコメント:
四半期に一度といわれるブルームーンそのものが特別な日である、ということから、その日は氷見も特別な日になるという着想には、ファンタジーを感じ、とても穏やかなイメージを想起させた。このアイデアに、四季が楽しめる演出や、その時々に応じた料理などが具体的に考えられていると、さらに魅力が増す企画になる。ブルームーンとは全く反対の新月の日は、地の利を活かし、星空を楽しむ日とするという視点も逆転の発想力があり興味深い。「市内在住ではない女子学生の視点」と冒頭に明言したことも立ち位置を明確にし、清々しさを感じた。
5.氷見での食育
何を:間伐材からつくった箸を贈る
誰に:3歳の子とその親
いつ:3歳になるとき
ポイント:恵まれた森があるから美味しい魚が獲れることを伝えたい
i+dコメント:
牡蠣の養殖のために森をきれいにした某活動からインスパイアされた企画とのことで、海と山は対、ということをしっかりイメージして、発信しているところに熱意を感じた。小さな子供のころから、海と山の関係に触れさせることで、食の安全について体感させる大事さや、海だけではない氷見、という視点を思い起こさせるアイデアだった。箸を制作しノベルティ化、というのも循環型社会を体現するには面白いアイデアかもしれない。様々なファクトがバックグラウンドにあると、もっと現実味を帯びるのではないかと感じた。
6.ロードオブブリンス
何を:橋をかける、海の上を散歩する
いつ:朝の漁が終わった後
どこで:氷見の浜から唐島まで
ポイント:とても近くで定置網が見学できる、リゾート地のようにリラックスできる
i+dコメント:
「海の上を散歩してみたい」という、だれもが想像したことのある欲望を、とても現実的に企画しているのがおもしろく、何より発表者本人が実に楽しそうに未来を語る姿が印象的だった。「魚食文化をリードする」コンセプトと、「夢の橋構想」が、文字通りどうブリッジさせるかを深掘りすると新しいアクティビティとしての現実味を帯びてくるのではないかという感想をもった。発表とは直接関係ないが、前田氏の物腰が柔らかく、明るくしなやかなキャラクターは、未来の魚食系男子を想起させるものだった。
7.魚食文化体験ツアー
何を:獲るところから食べるところまで、氷見の魚を体験できる日帰りツアー
板長さんと同じ料理を作って食べ比べ
ひみぼうずくんのかまぼこをつくるコンテストを開催
誰が:(講師)氷見の42の民宿の板長さんが回変わりで
誰に:氷見近郊に住む小さい子を持つお父さん
いつ:休日
ポイント:3つのコースから選べる、日帰りで手軽にできる、父親の株を上げることができる
i+dコメント:
「父親の株をあげたい」「子どもにすごい!と思われたい」世の中のお父さまのインサイトをとらえた点を評価したい。こどもが楽しい、にフォーカスしがちだが、こどもにかっこいい背中を見せたいという一点にフォーカスして全体を設計しているのが非常に印象深かった。のべつ幕なしにアイデアやターゲットを広げることも一つの手法だが、こうしたペルソナを具体的に想像し、自分もこの企画でしあわせになる、という視点は、人の興味関心を引くのに大事な要素であることを、改めて考えさせられた。
8.いいね!本場氷見でミニセリ体験
何を: 見学だけでない、セリ体験中心のツアー
用語やルールを学び、コスプレもする
誰が: セリ人さん
誰に: 観光客
いつ:朝
どこで: 氷見漁港
ポイント: セリ人さんとミニコント風の楽しいやりとりができる、コスチュームもつなぎに帽子、旅館や民宿に生中継する、自分で競り落とした魚を料理してくれてたべることができる、オプションでヘリから見学も可能
i+dコメント:
実際にセリの現場を知らない観光客視点で見れば、まずエネルギッシュなセリの雰囲気に感嘆し、そのあと「あのセリはどのような仕組で成り立っているのか」という探究心が生まれるのが常である。そうした一般の方々にとっては非日常であるセリを、気軽に体感できるプランとして設計した点は評価に値する。普段あまりコミュニケーションがはかれないセリ人さんと、楽しく交流できる仕組みは魅力的にうつる。他の漁師町とは違う、氷見だけのセリ体験を設計できると他にできると差別化がはかられ、際立ってくるのではないか。
9.氷見の海色クレヨン
何を: 氷見の海の色をしたクレヨンを
いつ:ネット通販、編入手続きや婚姻届を出しにきた夫婦にあげる(ウェルカムギフト)、イベント時(小学生の写生大会)
どこで: どこでも、ネット
ポイント:氷見の海色調査隊が色を収集しにいく、自分が追加したい色を申請できる。潮の香りをつけたり、砂を入れたりして五感で楽しめる
i+dコメント:
「魚食文化をリードする」を自分ごととして捉え、「自分の好きな海をもっと身近に、特別に感じて欲しい」という想いが伝わってくる秀逸なアイデア。なぜクレヨンがいいのか?どんな形が良いのか?といった細部まで考えつくされていた点、さらにはそれをプロトタイピングし、実際に作ってきてしまう行動力を高く評価したい。とかくブランディングはPRに触れがちだが、誇りの源泉、地域愛といったポイントをぶらさず設計した点は感動も覚えたほど。実現可能性の高さにも注目したい。
10. お魚美人にクラスチェンジツアー
何を: 魚も食べられて、温泉できれいになれて、魚料理も覚える、女子力アップするツアー
誰に: 20代前半、東京出身、女性
いつ:年間12回
どこで:創作工房ひみ
ポイント:地元のおばちゃんが教えてくれる
i+dコメント:
「肉料理でマンネリ化…」「今さら人には聞けないけど、旅先のおばちゃんになら聞けるかも」という、若い女性が感じているインサイトをよくとらえている。プレゼンテーションの件に触れれば、一人の主人公を立ててストーリー展開しているところ(ユーザー視点)や、具体的な施設や団体などを盛り込み、わかりやすく伝えようとした点を評価したい。誰に共感されたいか、といったターゲティングも自分ごと化して考えられており、話し手、語り手としてのキャラクターセットの重要さを理解しているように感じた。
11.春中ハンド『勝てる魚朝食』発信プロジェクト
何を: 魚食×スポーツ栄養学で民宿の差別化を図り、思い出に残る、名物となる朝食をつくる
誰に: ハンド部の中学生
いつ:春中開催時、宿泊
どこで: 民宿
ポイント:「あそこの民宿泊まったチームが3年連続優勝してる!」という勝飯、ハンドボールを通して魚食文化の新しい切り口を提案する
i+dコメント:
氷見ならではのスポーツ行事である春中ハンドと、魚食文化をリードするというコンセプトを、高いレベルで融合させた秀逸な設計。またスポーツは、大会そのものだけでなく、未来に向かって「生涯スポーツ化する」という未来志向、次世代にバトンを繋ぐ絆的要素も盛り込まれており、高く評価に値する。話の中心である大会に参加する全国の中学生に食育を施しつつ、氷見で振舞われる朝食を「勝飯」としてブランディングする点など、現在市内の民宿が抱えている差別化の課題解決にもリーチし「連覇する朝飯」などサスティナブルモデルも意識した点なども高く評価に値した。
12.きき魚セット
何を: いろいろな魚が並ぶ中、何の魚か当てるお刺身セット
誰が: 飲食店
誰に: 20代女子 OL「魚はたべたいけど機会がない」
いつ:友人同士で旅行に来た 夕食
どこで: 居酒屋などの飲食店
ポイント:美味しく楽しく食べて、魚の知識も得ることができる。お土産バージョンも有り、友人への拡散も狙う。
i+dコメント:
具体的な商品を切り口にした発表で、地域の飲食関連施設や産物販売施設との連携を想起させる、実現可能性が高いアイデア。視点として、「来て食べる」だけでなく「満足して買って帰る」という二方向でのアクションを設計しており、現地でのシェア、現地を離れてからのシェアなど、想いを誰かに伝えたい、というソーシャルネットワーキングのメリットを活用したアイデアにも評価に値する。さばく前なら見分けがつくけど、刺身になると見分けにくい…という課題を活かした、刺身で食べる文化の根強い氷見だからできるアイデアといえる。
13-1.漁火(いざりび)バル
何を: 魚の新しい食べ方を提案する若い人向けのおしゃれなバー
誰に: 20−40代男女
いつ:7—9月の金曜日、19—23時
どこで: 漁港、とと座
ポイント:出会いの場にもなる…
i+dコメント:
婚活や恋活といった、氷見のファンになってもらいたいターゲットを意識して、そのターゲットに何が出来るかという視点が良かった。また、外部の方の需要だけでなく、内需も意識し、魚を食べ慣れている氷見の若い人に、新しい空間で新しい食べ方を提案することで、氷見の魚食文化に改めて誇りを持ってもらえるようにする、という視点も評価に値する。
13‐2.出世魚のおくりもの
何を: 子どもの誕生祝いに毎年出世魚を贈る
誰に: 子どもが生まれた家族へのお祝いしたい人
いつ:毎年冬
どこで: 自宅に届く
ポイント:子どもの成長と出世魚の成長を重ね合わせて立派に育ってほしい気持ちを贈る
i+dコメント:
氷見を象徴するぶりの出世魚の特性を活かし、ブリの出世と子どもの成長をかけて贈答品展開したことに座組みの上手さを感じた。プレゼンテーションも、発表者中唯一の寸劇で、特別ゲストをキャスティングボードに加えるなど、内容もさることながら、それを大勢にどう伝えるとどう伝わるのか、という視点を良く考えて設計し「一人一プレゼン」という枠にとらわれなかった点もアイデアを生むための素地として評価したい。
14.スーパー氷見キッズ養成講座
何を: アウトドア体験(釣りなど)や魚食育を通してスーパー氷見キッズを認定する
誰に: 氷見出身・都会暮らし、小学生以下の「本当はもっと子どもと触れ合いたい」お父さん
いつ: 夏
どこで:海、とと座
ポイント:子どもと一緒に懐かしい思い出を体験できる、Uターンを助長する
i+dコメント:
「自分が子どもの頃体験した楽しい思い出を、同じ故郷で、子どもにも体験させてあげたい」という、お父さまのインサイトを捉え、その夢をかなえられる場所として氷見を設定した点が、魚食文化をリードする、というコンセプトよりは、氷見愛を親子で育む、といった未来につなぐアクションとして伝わってきました。氷見に来ることでスーパー氷見キッズを認定されたいとする人々の興味関心を得ることもとても大事な視点ですが、言葉の強さから「氷見出身のスーパーなキッズをつくる」というスーパー氷見キッズ構想も想起させた。色々アイデアが膨らむ可能性がある部分が魅力的、ともいえる。
15.一ヶ月で血液サラサラ!氷見市推奨『ひみ魚食ドック』
何を:入院コースや献立コースで食を改善して、健康になれる人間ドック
誰に: 氷見市民
いつ:太り過ぎが気になったとき
どこで: 氷見市民病院
ポイント:長野県が長寿の県になったので、魚食×健康で売り出す
i+dコメント:
ある年齢になると健康と切っても切り離せない「人間ドック」から着想した「ひみ魚食ドック」は、自身の健康と魚食を掛けあわせることで「魚は身体にも健康にも良い」ことを感じていただける、アイデアの跳躍力が際立った発表だった。全国各地様々な人間ドックがある中で、氷見で行う人間ドック(通称ひみ魚食ドック)が人気を博して、足を運んでくれる人が増えることや、加齢による健康問題だけでなく、若年層にも問題となっている成人病にもフィーチャーし、親子で主体的に健康になる、というアクションを想起させた点や、言葉の面白さなども評価したい。
16.氷見だけの缶詰
何を: 自分で料理して自分でパッケージもつくれるオリジナル缶詰
誰が: 中村さん
誰に: 観光客
いつ:旅行から帰るとき
どこで: とと座
ポイント:缶詰の中身からパッケージまでオリジナルで作成できる、開ける時に旅行の楽しい気持ちが思い出される
i+dコメント:
通常缶詰といえば、そのものを開けることにフォーカスしてしまいがちだが、今回の発表においては、逆転の発想で「缶詰を作る体験をさせ、思い出とともに持って帰らせる」という座組みが秀逸。旅の思い出を詰め込んだ缶詰は、タイムカプセルのようなお土産となり、その地を離れた後も思い出を想起させ、またその土地を訪れたい、感じていただくリピーター増加にも一役担えそうで期待が高まる。ものづくり、のパワーを最大限活用した内容もさらにブラッシュアップすることで、人気のコンテンツになるポテンシャリティを感じた。プレゼンテーションでいえば、実際の缶と中身を用意し、プロトタイピングを実践し、楽しく簡単に作れる様子を伝えた点も高く評価したい。
17.世界の回遊魚さん、いらっしゃい!プロジェクト
何を: 旅人を回遊魚に見立て、旅のスタート地点となるようなゲストハウスをつくる
誰に: 世界を旅する人
どこで: ゲストハウス
ポイント:荷物を置いておける、旅人の持つスキル(歌、デザイン、踊りなど)も還元することで地域の人との交流もできる、空き家の問題も解決できる
i+dコメント:
「海は世界とつながっている」を体現した企画で、グローバルな視点を持ったアイデアを評価したい。旅人を“回遊魚”に見立て、ブランド化することで、また戻ってきてほしいという想いを表現し、旅人そのものをリスペクトしている点が、観光活性化のポイントをおさえており、たくましさを感じた。回遊魚の聖地として、旅の拠点を氷見におきたくなる仕掛けがあるとさらに磨きがかかるように感じた。プレゼンは唯一の紙芝居方式で、エンターテイメント性も抜群。発表者のキャラクターも相まって、締めにふさわしいエネルギッシュな発表が素晴らしかった。
17個のアイデアがすべて出そろったところで、表彰式に移ります。
賞は3つ。本川市長が氷見市の視点で選ぶ『市長賞』、issue+designが外からの視点で選ぶ『issue+design賞』、みんなの投票で決まる『みんなの賞』です。
まずは本川市長から、講評をいただきました。
「この地域みらい大学は、ブランドをマスターしてほしいという思いでやってきました。今回のシンボルアクションは、ブランドの5つの定義を軸に評価しました。まず『プラスの良い体験、良い印象の総体』皆さん触れてらっしゃったと思います。来年以降も漁業交流館で実現していくことを考えると、『約束と実行、共感の循環』が大切だと思います。誰とどうやって実現していくのか?まで考えていって欲しいですね。2回目、3回目…と、どうやって発展させていくのか?ということについては、触れてらっしゃる方がいましたね。坂下さんの「魚人間コンテスト」だったり、金石さんの「満月レストラン」だったり。あと『ブランドを表す象徴』。色だとか、目印についてどうだったか。皆さんプレゼンの技術はかなり高まったなぁと思いました。そして『関係者にとっての誇り』。私たちがいかに愛着を持つか。まずはこの氷見市役所のブランディングをしていきましょう。チームをつくっていくことによって、内なる誇りが生まれてくると思います。利益を生み出す源泉というところまで考えていきましょう。今日出たアイデアが漁業交流館で実現されれば、必ず氷見はブランドになると確信できる回でした。投資以上の効果があったなぁと思います。ありがとうございました。」
次に、issue+design諏訪部から講評です。
「すべてのアイデアが一定のレベルに達していまして、本当にとても悩みました。すぐに実現していけると思います。今回issue+design賞を選ぶにあたって重視した点は、ブランドを体験するアクションであること、氷見の他の課題も解決している事、他のステークホルダーを巻き込んでいける、という視点でした。皆さんお疲れさまでした。」
(左から)市長賞&みんなの賞ダブル受賞の「氷見の海色クレヨン」細川奈々さん。「実は昨日、長らく頂けていなかった代休をいただきまして。朝から弟に叩き起こされてつくったものをお褒めいただきまして、嬉しいです。ありがとうございました。」issue+design賞&みんなの賞ダブル受賞の「勝てる魚朝食」久保徳允さん。「笑いもないプレゼンで申し訳なかったんですが。地域課題としてもそうなんですが、自分の課題として取り組んでいきたいと思います。氷見を代表するもの、「ハンドボール」そして「魚食」。大事なものだと思うので、後世に何を残していきたいです。」みんなの賞2位の「Can of Fish in HIMI!」中村康紀さん。「皆さんに選んでいただいて、本当に嬉しく思います。製缶機を買った甲斐がありました。私はこれを漁業交流館で本気こいてやりたいと思っています。もしダメでも、実家でやります。ありがとうございました。」
全五回の講義・ワーク・発表を通して、氷見ブランドの形が見えてきました。『魚食文化をリードするまち』として、何を実現していくのか。これからが本番。2015年3月14日、いよいよ北陸新幹線が開業します。来年以降も、富山県氷見市の取り組みにご注目です。
氷見ブランドは、ここがスタート。みんなで少しずつ育んでいきます