前回レポートいたしました、凍るど!日高ロケハンの模様の後編です。改めて「極寒を主体的に楽しむ」って、とてもユニークだなぁと振り返って感じている次第です。
前編でご紹介できなかった残りの「極寒10種競技」を今号ではご紹介しますね!
■やまべフィッシング
山女魚(やまめ)の地域の呼び名である「やまべ」。今回の10種競技の舞台である北海道日高町(通称山日高)を代表する産物であるこのやまべを、どうしても競技に入れたいとの思いから、今回はご無理を言って、氷に穴をあけ、氷上の下にいるやまべを釣り上げる「フィッシング企画」を敢行。
町内に二軒ある、釣り堀を営む事業者さんとの交渉次第となりますが、これもぜひ日高に訪れて来た方々には体験してほしい。そんな気持ちを強くし、採用の方向でテストしてきました。
■タオル大回転
せっかくなので、実際のスキー競技などでも使われている「大回転」という言葉を使ってみたい。そんなアイデアから開発されたのが、タオル大回転です。もっとも寒い時では、マイナス20度近くにもなるという北海道日高町で、濡れたタオルを回し、凍ったタオルのデザイン芸術点を競うという世にも不思議な競技。ポイントは、気温が下がる時間帯に開催する競技、ということもあり「早起きできるか」がキーになります。
競技の結果はというと、現地の方はタオルの濡らし具合、振り具合、タオルの選定具合が絶妙で、見事に凍りましたが、出張組である企画チームは、一人が半生、一人が凍らず、という惨憺たる結果となり、なかなかの難しさを感じたのでした。早朝の極寒も、見方を変えれば地域の魅力…、とこちらも強引に解釈し、競技としての採用を決定しました。
■ひだからダウジング
「せっかく日高の魅力的な財産を”ひだから”というネーミングでうたっているなら、雪の中で宝探し、させてあげたいよね」
「でも、あの雪の中に埋めたら、たぶん見つからないよね。見つからないと結局盛り上がらないと思うし」
そんなやり取りから開発されたのが「ひだからダウジング」です。地域にある鉄工所のご協力で、ダウジングロッドと呼ばれる、ダウジングの道具のプロトタイプを製作。実際に宝を埋めて宝探しチャレンジを行ってみました。
真偽のほどは…、わかりませんでしたが、雪上でたくさんの方がダウジングしているその様が、なんだか企画チームとしてはどうしても見たくなってしまい、強引に採用した競技です。「本番当日、宝は見つかるのか?」という不安さておき、あまりにも画的にユニークでしたので、こちらも採用を決定いたしました。
■ミステリーサークル
極寒地域、北海道日高町の魅力は、誰にも荒らされていない、キャンバスのような雪原です。この雪原に、突如ミステリーサークルが現れたら、不思議なワクワク感を得られるのではないか。そんなことを考えた私たちは、実際にミステリーサークル作りを行ってみるのでした。
これが実際に作ってみたミステリーサークルです。制作の翌日、近くをけものたちが歩いたことで、ややデザインが崩れていますが、それでも肉眼で見ると実に感動的。皆で何かを創作する、を競技として昇華するチャレンジ精神に火が付き、こちらも採用を決定いたしました。
■スノーボールバトル
言葉の通り「雪合戦」です。イベントのフィナーレは、一発逆転ありの全員競技で締めくくりたい。そんな思いを持って現地入りした企画チームは、小人数ではありますが実際に競技をやってみることにしました。
雪が降らない地域の人にとって見ると、この雪合戦もエクストリームな体験に他なりません。幸い地域には大会を開催したノウハウもあり、防具や雪玉製造機など、すぐにでもはじめられる準備が万端でした。
「今回の極寒10種競技を締めくくるには最高の競技となること間違いなし。」
ロケハンを通じて北海道日高町の魅力にどっぷりハマった企画チームは、本競技を最終種目として採用することを決めたのでした。
■おまけ「シャボン玉って凍るの?」
今回、極寒10種競技の一競技としてではなく、極寒を体感、体験するのに行ってみたかったのが「シャボン玉凍らせ実験」です。朝方最も冷え込む時間に、眠い目をこすりこすり早起きし、いい大人がしっかりと実験してまいりました。
(早朝5時からシャボン玉をするおじさんたち)
これ、環境にも依存するんですが凍るんですね。全く新しい体験に、正直感動してしまって、「これは競技でなくてもいいから、みんなに体験させてあげたい!」ということで、「タオル大回転」の後のエキシビジョンとして採用することにしました。
凍る瞬間も、凍った後も幻想的な空間が広がります。
かくして、企画チームによるロケハンは、当初の目標だった全競技を
「自ら全て体感してみる!」を達成し、開催日に向けた準備に奔走しはじめるのでした。
地域が気づかない魅力に触れるには、外部の人が実際に現地に行ってみて、実際に色々体験してみる。これに勝る知見はありません。
凍るど!日高(COLD HIDAKA)の大成功を祈念して。
今号はこの辺で。